何故抜くのか?「カリクギ」の長さと面積の話。

こんにちは。㈱大築 釘担当/WEBマスターの担当_Rです。
今回はカリクギの「長さ」と「接着面積」についてのお話です。

弊社の製品の中で「カクシ釘」よりも先に発売されていた商品「カリクギ」
使い方は「カクシ釘」程の意外性(頭の部分を弾き飛ばす)はないけれど、意外と人気の「カリクギ」

「釘を抜いてしまう!?「カリクギ」基本の「き」」

「釘を抜いてしまう!?「カリクギ」基本の「き」」の記事の中で基本的な使い方やどういう仕組みの釘なのかはお伝えしているのですが、

カクシ釘の4種類同様、カリクギにも「K-1」、「K-1L」、「K-2」、「K2-38」、「K2-45」と5種類の長さ・太さ、そして樹脂部分の大きさに違いがあります。

今回はカリクギの「長さ」と「面積」についてのお話です。

K-1

弊社が製造している釘で一番小さい釘です。(カクシ釘「F-22」と同じ長さ) 
頭部分の樹脂:半透明の緑、長さ:5㎜ 、圧着面積:4.99m㎡、
釘長:22㎜、線径:0.81㎜  
;厚さ7㎜までの木材に使用することができます。※1

カリクギK-1

K-1L

K-1の弟分として誕生した製品。K-1よりちょっぴり長い釘が使われています。
頭部分の樹脂:半透明の緑、長さ:5㎜、圧着面積:4.92m㎡、
釘長:30㎜、線径:0.88㎜ 
;厚さ15㎜までの木材に使用することができます。※1

カリクギK-1L

K-2

カリクギシリーズの中で一番市場に出回っている商品。
(K-1Lと同じ釘を使っています。)
頭部分の樹脂:黄緑色、長さ:8.7㎜、圧着面積:13.52m㎡、
釘長:30㎜、線径:0.88㎜  
;厚さ15㎜までの木材に使用することができます。※1

カリクギK-2

K2-38

頭部分の樹脂:黄緑、長さ:8.7㎜、圧着面積:13.34m㎡、
釘長:38㎜、線径:1.06㎜  
;厚さ19.3㎜までの木材に使用することができます。※1

カリクギK2-38

K2-45

頭部分の樹脂:黄緑、長さ:8.7㎜、 圧着面積:13.16 m㎡、
釘長:45㎜、線径:1.24㎜ 
; 厚さ26.3㎜までの木材に使用することができます。※1

カリクギK2-45

K2-38、K2-45共にフローリング材や各種ボードの二重貼りなどの厚い材料の仮止めに重宝します。樹脂部分を除いても30㎜以上の長さがあるので、大抵の床材や壁材の仮止めには使えるのですが、使用する場所の状況によっては、長さが足りないことも…

注釈※1:下地の硬さや厚さにもよりますが、接着の際に十分効果を発揮するために約10㎜下地材へ打ち込むという条件のもと計算しています。

「釘の長さと太さの話」
にて詳しく紹介しています。

ここまで、カリクギの基本スペックについて説明してきましたが、ここで何か気づきませんか?

……そう!頭部分の樹脂の形状が全く違うのです!

使い方は同じなのにどうしてここまで樹脂の形が違うのかというと…
「接着面積の差」!
実はもともと「K-1」は壁材の接着仮止め用として、「K-2」は天井板の接着仮止め用として 製造されました。

何故「カリクギ」は抜いてしまう運命なのか

壁材・天井合板などの張り付けの際の仮止めですが、
天井も壁もクランプなどで挟んだりできないので、旧工法で使われていた釘と同じように「釘を打った後抜く」仕様だったのです。(下図参照)

化粧合板仮止めの工法比較

※発売当初のチラシに掲載されていた工法比較図※

旧工法では押さえておくために合板を細く切ったものを別に用意する手間と大量の釘、さらには仮止め後に引き抜く際に、頭が小さく抜きにくい等の問題がありました。

カリクギを使用した施工方法案内(発売当初)

※発売当初のチラシに書かれていた施工方法と附記(付け足しの説明)※

「押さえ合板」を挟まずに釘だけで貼り付けようとすると、一点に対して0.3~0.4㎏程度の圧力しか掛からずに接着されてしまう為、3年ほどで剥がれる事があるとか…!!

そんな手間と労力を節約するために生まれた「カリクギ」は、つなぎ目や溝に打ち込めば、しっかり圧を掛けて接着、仮止めをした後に抜いてしまうことで、綺麗に貼り付けることができる上、さらには釘跡が目立たないので発売当初から非常に人気で、家1軒建てるのに1箱使うとまで言われ重宝されていました。

(現在では、貼り付ける際の接着剤や釘の進化によりこの工法ではほとんど使われなくなっています。悲しい…)

また、次第に大工さんから「フロアー材の貼り始めや貼り終わりに使えるカリクギは無いか?」という要望を受けて、「K-1」や「K-2」よりも太く、長い「K2-38」と「K2-45」がフロアー用として誕生しました。

商品名の共通点

カリクギの名前
何気なく「カリクギK-1、K-2」と言ってしまいがちですが…

その由来はなんと

「K」=仮止めの「K」
「1」「2」=製造された順番

いやいや、いやいや…そんな気は何となくしていたのですが、改めて聞いたら本当に製造された順番でした。

「カリクギ」の一番初めに造られたから「K-1」
「K-1」の後発で進化して作られたから「K-2」

そんな安直な話があるとは…。
釘の寸法見比べても「φ0.81-22㎜」とか「φ0.88-30㎜」だからなんかおかしいなと思いましたけれども。

ちなみに「K-1L」は「K-1」よりちょっと長い(long)から名づけられています。

「K2-38」、「K2-45」はそれぞれ38㎜、45㎜の長さの釘使っているからというのは非常に分かり易いのですけどね。

カリクギの使い方

製造元の弊社としては長さ・太さからそれぞれの釘の用途を案内している訳なのですが、 それは製造元の考えでしかないと思っています。

発売から約45年近く経過するカリクギも使われ方が多種多様に変化し続けていると考えられます。

そこで、弊社では「こんなところにカリクギ・カクシ釘」と銘打ち、使用アイディアを募集しております。2021年6月からスタートしている募集企画ですが、正直応募がありません…!!!!(2021年8月21日現在)

今回のブログだけでなく、これまでのカリクギ・カクシ釘関連のブログから弊社の釘の使用アイディアをお持ちの方、是非ご応募お願いします!!

詳細はこちらです⇓⇓

こんなところにカリクギ・カクシ釘

ではでは。今 回も読んでいただきありがとうございました。

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