バイオトイレで使っているオガクズって何だろう?
おがくず、大鋸屑、オガクズ?
※弊社では文中の読みやすさを考え、「オガクズ」とカタカナ表記していきます。
さて、バイオトイレではオガクズを使用していますが、オガクズってご存じですよね?
そう、木を切ったときに出てくる木の粉の事です。
鋸くず、「ひっこ」ともいわれます。
そのオガクズ、実に様々な使い方があります。
今回はそんなオガクズよもやま話といきましょう。
まず、販売されているオガクズは、ペットショップにある敷きものとして、
ハム スターなどの小動物用に売られています。
カブトムシの虫かごに入れたりもしますね。
最近ではその風習も廃れつつあるのかもしれませんが、お中元、お歳暮などで活きたままの車エビや毛ガニなどの贈答箱には必ずオガクズが箱に敷き詰められています。
小さいころ、喜んで箱を開けたらオガクズからエビが躍り出て大騒ぎ、なんてことあったようななかったような・・・遠い昔の思い出・・
他にもオガクズは様々な使い方をされています。
まずは液体の吸着性能が優れているので、交通事故現場やサーキットなどレース場で事故車両からエンジンオイルを回収するのに使われています。
工場などでも廃油の吸着に(最近はもっといいものもあるそうですが)。
畜産施設では飼育している動物の足元の保護と同時に糞の処理にもオガクズが役立っています。
例えば豚は実は大の清潔好き。オガクズのベッドだと臭いも出ないので大喜びなんだとか。
オガクズのチカラ
さて、バイオトイレの中でオガクズとは実際どのように働き、作用しているのか解説です。
画像はバイオトイレのタンクに入れたオガクズです。
ここへし尿を入れると、どうなるか。
水気はスポンジに吸わせるようにどんどんオガクズに吸い込まれていきます。
そして液体ではなく、オガクズの表面に付く湿り気の状態まで、拡散されていきます。
「ん?じゃあ便はどうなるの?」という疑問が頭に浮かんだと思います。
ご心配無用!オガクズに入った便もどんどん水気を吸い取られ、攪拌される間に固形物としての形状を保てずに崩壊します。
それもそのはず、便は一見固形物ですが、95%以上が水分で出来ています。
有機物が数%しか残らないので、オガクズの中では見つけることができません。その数%の有機物もオガクズに付いている土壌菌によって分解されます。
初めのころはオガクズ交換の際に「便に触ってしまうかも…!!」という恐怖心がありましたが、バイオトイレに携わって10年以上。
そんなことは一度もありません。
し尿の投入からサラサラのオガクズだけになるのにかかる時間はわずか12時間!インターネットで調べて驚いたのですが、下水処理場の処理時間とほぼ同じ(11~14時間)だそうです。 書いてる自分がびっくりです。
★処理時間について参考にさせていただいたサイトはこちら⇒横浜市HP
さらなるオガクズの活用法
唐突に私事になりますが、自宅で猫を3匹飼っています。
「ネコトイレもオガクズでできんじゃね?」と考え、ネコ砂をオガクズに入れ替えて実験したことがありました。
さすがオガクズ、前述のとおり尿を吸い込み、 臭いが全くせず、オガクズの木の臭いが漂うのみ。
(便はさすがに攪拌できないため、オガクズにまみれた糞になるだけでしたが臭いはしませんでした。)
しかし盲点が・・・。
数日すると微粉の木の粉が舞い飛び、トイレを置いている玄関周辺が粉っぽくなってしまいました。
ネコがトイレ後に砂をかける動作で舞い上がってしまったようです。
さすがネコ砂メーカーはそういう対策もしているのかと感心しました。
しかし、便の臭いが出ないのはさすがのオガクズパワーでした。
バイオトイレができるもっと昔、大工さんがお家を建てる際、トイレが必要です。その頃はどうしていたかというと、穴を掘って用を足し、そこに現場で出た大量のオガクズを振りかけていたそうです。
オガクズが排泄物を分解をし、家が完成するころには穴を埋めておけばOKだったという話を聞きました。
昔の人もオガクズパワーを知っていたに違いないですね。
バイオトイレもここに着目し、自動化、機械化したといっても過言ではありません。
事実、「災害用バイオトイレ」というものもあり、段ボール(又はプラスチック製段ボール)内にオガクズを入れた袋を設置、攪拌は手動という先述した話のようなトイレです。
ウチではそれを参考に災害用オガクズを一袋準備しています。
液体処理に、し尿処理に大活躍のオガクズ、一家に一袋の時代はすぐそこかもしれません。
今回はオガクズの力に注目してお届けしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
オガクズの実験をおこなった様子もまた書いていきますのでお楽しみに。
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