原因を見つけ出せ!バイオトイレの故障対応②

バイオトイレのベアリング

みなさんこんにちは、バイオトイレ担当のSです。
先月の故障で仮復旧をしたバイオトイレの修理をしてきたのでその様子をご紹介します。

前回訪問から約1カ月経過!

仮復旧から約1カ月。だましだまし動かしていたバイオトイレは何とか持ちこたえてくれました。
ここまで期間があいたのは、ユーザー様がこの日にオガクズ交換を予定されていたため。
修理もオガクズを出した状態でないといけないので日程を合わせて修理となりました。

前回の復旧から1か月経過の状態

蓋を外して様子を確認すると新たにベアリング部分から漏れ出たオガクズが降り積もっているのが確認できました。

修理開始!ギアを外す。

まずはチェーンがかかっているギアを外さないとベアリング交換ができません。

そこでギアプーラーという工具を使ってスクリューに取り付けたギアを抜いていきます。
ギアプーラーはギアを組み込まれた芯棒から抜き取る道具。
爪をギアに掛け、真ん中のスクリューにボルトをねじ込んでいくことでギアを抜き取ります。

バイオトイレのスクリューに取り付けたギアを抜く工具

しかしギアが取り付けられているのは回転するスクリュー。
スクリューにはバールを斜めにかませて、供回りしないように固定して作業を行います。

新品時にはオイルをさしてスルッとはめ込まれているギアですが、時間とともに油が固着、サビも手伝って恐ろしいくらいの強度でスクリューとギアは一体化しています。
スクリューが供回りしないように固定し、ボルトにつけたレンチに全体重をかけていくと、「ガン!」とそれこそ壊れたような大きな音とともに数ミリ手前に動きます。
※この音がしないと絶対に外れません!※
一旦、手前に動き出すと後はねじ込んでいくだけでギアを取り外すことができます。

外れたギアは・・・

壊れていたバイオトイレのベアリング

ギアを外したあと、ベアリングを見てみると二つに割れていました。ベアリングを固定する2本のボルトも1本は折れており、負荷による力がすべてここに集中して壊れたことがわかります。

部品を取り外した後のサビや固着した油などを取り、腐食しないようにグリスを塗布してから新しい部品に交換して復旧は完了しました。

新しいベアリングに交換

原因は一体何だったのか。

今回の故障の原因はバイオトイレの使用過多による負荷の増大が機械部分(今回はベアリング)にかかり破損したと思われていましたが、今回新たに分かったことがありました。

使用過多に至る経緯は導入時に想定されていた1日当たりの使用回数より実際の使用回数が多いという事です。

このバイオトイレは処理能力が10回/1日のM-08型。しかしこちらの現場では22回/1日程度使用され、毎日それが続くためオガクズが乾燥しきれない状況が続いてしまいます。そのため交換頻度があがり、通常年に2~3回のオガクズ交換が2週間ごとになっています。

さらに判明した原因。

また、今回新たに分かったこと。
それは使用しているオガクズでした。

バイオトイレに使用するオガクズは1mmほどのオガクズ(のこくず)を推奨していますが、こちらで使用されていたオガクズはチップ材を作るときに出た屑で、木片(約2cmほどのチップ)が大量に混ざったものでした。

チップ材が多いオガクズ

チップ材が混ざることでオガクズ全体が大きな塊となり、スクリューの攪拌でほぐれません。塊のまま押しつぶされ、オガクズ自体が押し返すようにスクリューとモーターに負担をかけています。

しかも手やスコップで崩そうにも硬くてほぐせない状況でした。

そのため新品のオガクズなのに重たそうな回り方をしています。

袋に入った状態でもオガクズが塊の状態で、そこに使用過多で水分が抜けない状態・・・残念ですがまた機械的な障害で止まってしまうと想像できる状態でした。

まとめ

<原因>

使用するオガクズにチップが多量に混じっている為、塊になりやすい上に

使用許容回数を超えた使用で水分が過多(乾燥が間に合わない状態)となり、機械への負荷がかかり過ぎていた。

<対策>

機械的負荷を減らすために、オガクズがサラサラの状態を保つ。

(今回のような場合オガクズ交換の頻度で調整する。)

使用するオガクズはチップの含有率が低い「細かいオガクズ」を使用する。

中でも一番重要なことは・・・

「バイオトイレに設定された使用上限の回数以内で使用」

これに尽きると思います。バイオトイレ選びの参考になれば幸いです。

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