こんにちは。㈱大築 釘担当/WEBマスターの担当_Rです。
今回は「釘の長さ・太さ」についてのお話です。
先日、弊社HPより、とあるお問合せを頂戴しました。
「K2-45と同じ釘の太さでコマ下が60㎜の釘のオーダーは可能ですか?」
この問い合わせについて、色々と調べてみました。
カリクギK2-45と言えば、線径が約1.24㎜で釘自体の全長が45㎜、コマの寸法は8.7㎜
実際に打ち込んだ際に有効な長さは45㎜-8.7㎜で36.3㎜となります。
で、お問い合わせいただいた寸法60㎜となると、釘自体の長さが
約70㎜必要という計算になります。(コマの寸法8.7㎜+有効な長さ60㎜=68.7㎜)
ちなみに用途を詳しく伺うと…
フローリング床レベルが悪い(水平でない)為、部分的にフローリングを剥がしパッキンを挟みレベルを合わせながら貼り付け。
その際にフローリングを抑える為。
床下地構造は捨て貼り(ベニヤ板35mm)→床ボード12.5mm2枚→遮音マット8.5mm→フローリング12mm+レベル調整5mm前後
打ち込んでフローリングを固定したい下地までの厚みが約38㎜となるため、この条件であれば、K2-45では届きません。(有効な長さは36.3㎜なので…)
出来そうで出来ない?釘の不思議
線径1.24㎜で70㎜の釘が作れるのか否か。
釘に対する知識が(入社当時と比べるとずいぶん増えましたけれども)まだまだ乏しい私は、
弊社の釘を製造して下さっている製鋲会社様へ連絡をしてみました。
すると、担当さんから…
「線径1.24㎜で70㎜の長さの釘を作るのは難しいです。」
詳しく理由を伺ってみると、線径1.24㎜で行う釘の製造(製鋲)は全長45㎜が限界。
元々短い釘を作るために使う線径(1.24㎜)で、機械も45㎜までしか製造できない機種を使っている為、それ以上の長さとなると、曲がりや折れが出てしまい、まともな釘を作ることはほとんど出来ない。との事。
原料となる鉄線を伸ばして必要な長さに切断すると同時に頭部分を叩くことで作られるのは以前伺っていたのですが、その方法さえ守ればいくらでも違う長さの釘を作れるものだと思っていた私は目から鱗でした。
釘の太さを変えるとどうなるか?
線径1.24㎜で全長70㎜の釘が出来ないのであれば、逆に線径何㎜あれば70㎜の釘は製作できるのか。
改めて製鋲会社の担当様に聞いてみると…
「番手※#14番~#12番(線径2.11㎜、2.41㎜、2.77㎜)の間であれば作成できます」 との事。
図面を作成してみて理解したのですが、コレは予想以上に太い…(笑)
カリクギのキャッチフレーズの「極細釘で抜き跡が目立たない」を根底から覆しています。
コマ(緑の樹脂部分)も改良しなくてはなりませんが、使用用途によってはアリ…?(笑)
※番手…釘・ビス(ネジ)などの線材(線状の金属材料)を元にして製造される製品は「太さ」をミリ表記ではなく、太さごとに#6~#29という番号を付けて判別しています。そして、数字が大きいほど細くなります。#6は5.16㎜で極太、逆に#29は0.33㎜で超極細です。(一般的に使われているシャープペンシルの芯より細いです。)
【例】#17-45=太さ1.47㎜/長さ45㎜
㎜を書かずに済むので簡素に表記できます。
引用元はこちら⇒ねじナビ様
釘のオーダーについて。
今回お問合せいただいた釘の寸法で製造することは叶いませんでしたが、
弊社では今回のように既存の種類(カリクギ・カクシ釘)サイズ違いについてのお問合せをいただくのは大歓迎です。
対応できるかどうかは、内容次第で製造に時間や費用が掛かることにはなりますが…。(釘のオーダーに関して広く募集している訳ではありませんのでその点はご了承ください。)
「こういう用途で使いたい」「もう少し長さが違うのがあれば…」等々ありましたら、 お気軽にどんどんお問合せいただければ幸いです!
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