床暖房工事の時に気を付けている事。

~ミスなく工事を完了させるために~

皆さんこんにちは。床暖房・バイオトイレ担当のSです。

今日は床暖房工事のお話です。

ダイチクの床暖房施工は、床仕上げ材の下にCFボードヒーターを敷いて、電気でカーボン繊維が温まる仕組みになっています。
床の仕上げ材が施工されると目で見ることが出来なくなってしまいます。

そのため施工期間中にどのように気を付けて作業をしているのか、ミスを逃さず完成させる秘訣をご紹介させていだきます。

床暖房の施工の手順

ヒーターの施工手順としては、大工さんにフローリングを貼る場所を確認後、フロア釘を打つ箇所を特定し、釘打ちを回避するようにヒーターを貼っています。
フローリングはヒーターの上にボンドを塗り、釘を打って止めていきます。
下の図内 で赤くマーキングしているのが釘の打つ位置です。

床暖房ヒーター上、フローリング仕上げ時に釘打ち出来る箇所

実際の現場で起こること

先日床暖房施工した現場で、大工さんとの打合せと実際の貼り方が変わり、釘を打ってはいけない部分に打ってしまうという事故がありました。

誤って銅線部に釘打ちされてしまった状態

現場に行ってみると次の写真のとおり、割付方法を変えて仕上げ材を貼っていたため銅線部にくぎが当たることになったようです。

打ち合わせ時と変わってしまったフローリング配置

すぐに傷ついたヒーターを張り替え、銅線部などは釘を打たない施工方法に改めてもらうことで対応しました。

こういうことが起こる原因は、複数の大工さんがチームとして作業に当たり、フローリングの貼り方を打ち合わせと違う貼り方をしてしまった時に起こりえます。

というのもフローリングの配置方法は複数あって、端から順に貼る方法、部屋のセンターから均等に振り分けて貼る方法、掃き出し窓など細かい細工の必要なところから貼る方法など大工さんによって貼り方が変わることがあるのが大きな原因です。

異常を放置するとどうなるか・・・

先の写真(※図1)にあるように、銅線部分にくぎを打たれたとします。

そこには電圧(AC200V)がかかり、釘を通じて下地に少量の「漏れ電流」が発生します。
密着していると周りに空気がない状態なので炎が出る可能性は低いのですが… 長期的に負荷がかかるとショートしてしまう可能性があります。

また、建物は結構動きます。(といっても「ハウルの動く城」みたいに歩きまわることはないですが、振動で上下に動くのはよくあります。)
釘が刺さっているところも当然動くので、ショートして最悪火災という事態になってしまう可能性も否定できません。

さらに、ヒーター単体で見ると、均一に温まるように設計されているヒーターもどこか数か所にくぎが打たれて寸断されてしまうと、ヒーターの抵抗値にバラツキがでてしまい均一に温まらなくなります。

せっかく部屋を温めるために導入したのにこれでは意味がありません。

これらの異常を見逃さず見つけ、対応することが肝心と言えます。

ダイチクが施工の際に気を付けていること

先述の現場のように連絡があって対応できると良いのですが、極端な話になりますが、そのままフローリングを施工されてしまうと、一見わからなくなりますから「黙っておこう」という大工さんがいたとします(あくまで仮の話です!)

そんな場合でも後から把握できるようにダイチクは注意深く検査を行い、記録しています。

その① ヒーター抵抗値の計測、記録。

【ヒーター施工時】、【仕上げ材完了時】、
【建物完成時】の3回に分けて記録しています。
もし仮に仕上げ材施工時に断線するようなことがあると、抵抗値に変化が出るためわかってきます。

床暖房ヒーターの抵抗値を計測
・記録
その② 絶縁抵抗計で釘打ちを監視。

リモコン部に絶縁抵抗計を取り付けて釘打ちの際の異常を検知、大工さんが分かるようになっています。

絶縁抵抗計はヒーターと建物の絶縁状態が維持されているかを見る計測器で電線部やカーボンファイバーにくぎが当たると抵抗計の針が触れるしくみです。
大工さんにはフローリングを貼るごとに計測値を目で見て確認してもらっています。面倒な話ですが、何かあるとフローリングを剥がしてヒーター変えて…と工程が増えて大変なので大工さんも快くご協力いただいています。

床暖房リモコン位置に絶縁抵抗計設置
その③ ヒーター試運転時にサーモグラフィを使って温まり状況を確認する。
仕上げ後のサーモグラフィによる昇温確認

最後の砦ともいえるのが試運転時。
ここで活躍するのがサーモグラフィです。
フローリングの上からでもヒーターの温まり具合が手に取るようにわかります。万一ショートしている部分などがあると発見できます。

ダイチクで床暖房を施工して20年ほど経ちますがサーモグラフィで異常を見つけるという事はほとんどありません。
それも大工さんの丁寧な仕事のおかげと何かあれば連絡をいただける誠実さのおかげとも言えます。
また、抵抗値の表示が基準よりも大きく変動して、「大工さん、なんか変わったこと無かった?」とわざわざ聞くようなことも幸いありません。

仕上がってしまうと床暖房ヒーターは30年ほど交換することなく、メンテナンスも不要で使い続けられます。
また目に見えない部分だから丁寧に施工したいという思いが各手順となって検査を行いながら快適な空間づくりを心掛けています。

長文なブログとなってしまいましたが、ダイチクの床暖房が施工期間中にどのように気を付けて作業をしているのか、ミスを逃さず完成させる秘訣をご紹介させていただきました。

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